yasuhide onoさんの話(1/2)

2016/07/30

 

 

cite' : 今回「うつしき」展ということで、onoさんが福岡で運営しているアトリエ兼店舗の世界観をできる限り持って来て下さいとお願いしました。onoさんの作品を鉱物やアンティークの時間の中で見てみたいと思ったからなんですよね。

アクセサリーを作るきっかけが鉱石への興味からとおっしゃってましたが、オーストラリアに住んだり、インドへの移動の中で作品を作り始めたのはどうしてですか?

 

ono : もともと東京で服の専門学校へ行って、スタイリストアシスタントやっていたんですが、仕事をやめてオーストラリアに行ったんですよね。ファッションを勉強するのであれば、NYとかパリとかロンドンとかに行くのがいいと思うんですけど、それだと東京にいる時と何も変わらないのかなと思って。

オーストラリアに滞在するうちに、人のあり方にすごく影響を受けたんですよね。そこでは生きるということを純粋に楽しんでいて、そんな環境下で自分自身も開けていって。いろんなことに興味が向いて、元々ドラムをやっていたのでジャンベだったりとかギターだとかいろいろやりました。

その流れで、ファーマーズマーケットに行くと、ヒッピーがミサンガを並べて売っているんですけれども、その時に出会った人に教えてもらったのが元々のきっかけですね。

 

 

cite' : 何才くらいの時ですか?

 

ono : 23歳の時、今から八年前くらいでした。

凝り性なのでそれからすぐに制作にハマってしまって、素材選びとか、素材と素材の組み合わせだとか、その感覚がスタイリストと近いのかなと思って。最初は何もわからなかったので作りまくっていました。

 

 

cite' : 始まりがミサンガというのも意外ですね。

 

ono : その中の一人からプレゼントを頂いて、それがたまたま天然石を使ったアクセサリーだったんです。それが大きなタイミングとしてあって、アクセサリーを作り始めたタイミングと、もらったタイミングがリンクして、天然石への興味を持ち出しました。

 

 

cite' : オーストラリアではファーマーズマーケットは流行りとかではなくて昔からあるんですか?

 

ono : 多分早かったんじゃないですかね。僕も海外に行って、食だったりとかに目が向いていたというのもあると思うんですが、そのタイミングというか、全部が全部タイミングなんですよね。

 

 

cite' : 2年くらい住んでいたんですよね。

 

ono : そうですね。その間に自然への興味がすごく出てきましたね。今まで自分が知っていた日本の自然とは規模も種類も違う壮大な自然というか。

23、24歳のオーストラリアに住んでいた時期に、オーガニックなものへの興味とか、鉱物に興味を持って、そういった興味がすべて一緒に結びついたんですよね。

 

 

cite' : そこからインドに行くという流れはどのように?

 

ono : オーストラリアでも天然石を買って、作ったアクセサリーを旅で出会った人にあげていたんですね。海外だと出会った人に次はどこで会えるかわからないじゃないですか。だから忘れないでくれよ、というような感じであげたらすごく喜んでくれて。自分が手で作ったもので喜んでもらえるというのが金銭面を差し引いて嬉しくて、良かったんですよね。それが作るモチベーションになったというか、喜びなんですよね。

 

 

 

cite' : アクセサリーとか小さなものって特にそういうところがあるんですかね。展示をしていて、購入していただけるという行為が普段と少し違うように思えて、個人から個人の手に渡って行って、それを喜んでいる仕草がとても親密でそれが嬉しいんですよね。

多分長いこと大事にされるんだろうなあという感じで、一つ一つ異なるものを、それぞれがそれぞれの解釈と、その時の自分に見合ったり、少し背伸びをするように物を選ばれる姿が綺麗なんですよね。

 

ono : それは本当に嬉しいですよね。

 

 

cite' : onoさんが作品のディティールで特に大事にしていることってあるじゃないですか。編むということとか、既成の金具を使わないこと、原石のままの石を用いること、石に合わせた台座の金属のラインなど、、、その辺りのことを教えてもらえませんか?

 

ono : 編むということは素材に対するリスペクトなんですよね。鉱物の生い立ちを考えていくと、何万年だったりとか、化石だと何億年になりますよね。そこに対する一編みっていうことが、とてもポジティブなことだと思うんですよね。一目見ても、時間が積み重なっているというか。天然石でアクセサリーを作ることと、時間を編むということが自分の中ですごくマッチして。

結ぶということもそうなんですが、凄くポジティブですよね。人と人を結ぶだったりとか、人と物を結ぶだったりとか。だから編むという行為を大事にしているんです。

 

それと同時に、天然石が持つ時間とか、ローマングラスだったり、アンティークのビーズもそうなんですけど、時間の背景が自分にとって大事なので、それを感じるようなものに惹かれますね。

 

金属って物として硬質じゃないですか、だから石一つ一つに合わせて有機的なラインを作るようにしています。指輪やピアスは曲線がいいなあと思っていて、一つ一つの石に合わせるという掛け合わせですね。

 

ネックレスは、後ろの留め具を編んで、そこに水晶を入れて止める仕様にしています。

基本的には作り手がわからなくてもいいと思っているんですが、でもどこかしら匂わせたいというか。前面に出しすぎたくはないんですが、、、

 

 

 

(続)

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